『パリより愛を込めて』

観てきた。ジョン・トラボルタはさすがに存在感があったけれども、主人公を演じるジョナサン・リース・マイヤーズも負けてない。スタイリッシュなアクションが印象的な映画だった。


パリの大使館員であるリースの裏の顔はCIAの見習い捜査官。国家の機密に関わるような活躍を夢見つつも、チェスがうまく語学にも堪能で、家に帰れば美しいフィアンセもいるという有能なエリート大使館員として日々を過ごしている。

そんな彼やパリの街、映画の醸し出すセンスの良さにうっとりしているところを吹っ飛ばすように登場するのがジョン・トラボルタ演じるワックスだ。スキンヘッドに髭面というファンキーな風貌のワックスはCIAの超凄腕諜報員。乱暴で荒々しくも実はそれも計算だったりと、このなかなか魅力的な男に振り回されるリース。彼はそのナイーブさから銃の引き金を引くことが出来ない自分に自信を失っていく。果たして彼は引き金を引く勇気を持つことができるようになるのか…


端正な顔立ちで知的でエレガント、まさにフランスといった雰囲気の主人公リースと、荒々しくもパワフルというアメリカを象徴するような相棒ワックスのデコボココンビが育んでいく男の友情が熱い。

そしてなんといってもこの映画の一番の見所はスタイリッシュなアクションシーンだ。格闘や銃撃戦、そしてお約束のカーチェイスとアクションシーンが満載だけど、そのどれもがとてもカッコよくて、見終わったあとももう少しアクションが見たかったなあと思ってしまった。


主人公が狙われていた理由や黒幕の正体が曖昧だったり、95分と上映時間も比較的短かったから少し物足りなくも感じたけど、伏線を振りまきながらも考える暇を与えないスピーディーでテンポのいいストーリーテリングは素晴らしかった。アッサリしたものを見たいときにはおすすめな映画だ。